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最近は演出備忘録。
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映画の中に時間が流れているように、撮影現場にも現実の時間が流れている。二つの時間はカメラが回る刹那においてのみ同調する。シンクロする。このシンクロナイズが始まる瞬間を映画の現場ではファーストテイクと呼んでいて、それは少しだけ特別な時間に感じられる。神楽坂はやや緊張した気配を隠しきれずに言葉少なであった。神楽坂恵の最初のカットは残念ながらファーストテイクを捕まえることができず、二度目のテイクでOKとなった。映画は難しい。でも始まったばかり。一つ一つカットを積み重ねていくことに集中するのだ。撮影二日目はこのシーンで終了し、山本さんには即病院に直行していただいた。
三日目以降最初の撮休までの数日間、北島萌の出番はそれほど多くなかった。ストリップ劇場のシーンでは、ストリップ孃役の個性豊かな女優陣が素 晴らしかった。速水今日子、冴島奈緒、AYA、黄金咲ちひろと名前を並べるだけで童貞などとても太刀打ちできないのがはっきりする。「一昨日(おととい) おいで」という昭和の台詞を思い出す。なかでも劇場館主役の吉行由美さんのはまりっぷりがすごかった。神楽坂恵は、旅館での懇親会シーンが序盤の撮影において唯一台詞も多くボリュームのあるシーンだった。リハーサルでなんどもなんどもやったシーンだったが、現場でも数多くテイクを重ねる結果となった。山本浩司と神楽坂恵の芝居を同調させるのが難しい。大勢のエキストラが見守る中、神楽坂は繰り返し出されるNGに対して辛抱強く演技を繰り返した。山本さんは何度やっても芝居のリズムを変えないようにしてくれる。神楽坂にとってもおぬまにとってもとてもありがたかった。予想より多くの時間を費やして最後のカッ トを撮り切ったとき、神楽坂のホッとした呼吸とおぬまのホッとした呼吸がシンクロした。(つづく)

※概ねフィクションですよ!
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