最近は演出備忘録。
神楽坂恵とプロデューサーI氏の二人に、「キャッチボール屋」の台本をコピーした用紙を見ながら台詞を読んでもらう。狭い室内に反響する神楽坂の声をおぬまはじっと聞いている。
神楽坂の演技は「学校の階段」で直接見ているし、それ以外にも映像資料で見ることができるものはすべて見ていたので、彼女の声質も読み方もいつも 通りであった。ここがスタートとなる。映画「童貞放浪記」をどのように作っていくか、その具体的な戦略をイメージし始めるのはまだまだ先のことであった が、少なくとも神楽坂をヒロインとして据える以上、彼女の能力以上のものを前提として演出することは絶対に避けるべきだと、おぬまは肝に銘じていた。出番 の少ない脇役ならば、「3歩歩いて45度振り返って少しだけ笑う」といったお人形さんのような演技でごまかすことも考えられるが、ほぼ主演に相当する役と なると、その登場人物の生い立ちや性格や人間関係や今朝食べたごはんの味まで心と体に叩き込んでから出てくる台詞でなければならない。であれば、技術もさ ることながらまずは神楽坂恵という女優の生い立ちや性格や人間関係や今朝食べたご飯の味を自覚しながら登場人物のそれと重ね合わせ、その総体として台詞が 口から漏れ出てくるようにする必要がある。そのための2ヶ月半だと覚悟しなければならなかった。
もう一度、台本を読んでもらう。とにかくスタートだ、ということだけをおぬまは確認し、次に台本を見ないで台詞を読んでもらうことにした。(つづく)

※概ねフィクションですよ!
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