最近は演出備忘録。
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歌舞伎町で「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」を観て劇場を出た。自分で蒔いた種を自分で刈り取ろうとする庵野総監督の強い意志に惚れ惚れとしながらぼんやり とパチンコ店の裏通りを歩いていると、人波の狭間に一台の自転車がこちらに向かってフラフラと近づいてくるのが見えた。「使徒!」とおぬまは呟き身構えた が、もちろんそれは使徒ではなくて丸い顔をしたHさんである。Hさんの自転車は、道行く人にぶつかりそうでぶつからず、一心不乱におぬまを目指しているよ うであった。おぬまが足をそろえると同時に、自転車もすぐ脇に停まった。ゼルエルに似てなくもないなとおぬまが考えていると、Hさんはまっすぐ前を見たま ま言った。「監督、チケットは何枚売れましたか?」
おぬまとHさんの横をヱヴァを見終えた大勢の観客が通り過ぎていく。おぬまはまだ3枚しか売れていませんとは口が裂けても言えなかったが、この 日はあらかじめ返答を用意していたので戸惑うことはなかった。「先日、電車で席を譲ったご老人が武蔵野辺りの地主だったんですが、とても感謝している様子 で『童貞放浪記』のことを話したらチケットもだいぶ付き合ってもらえそうなのです」
Hさんはしばらく無言でスースーと息を吐いたあと、「○○という映画の監督はイベントで五百人集めたそうですよ」と言い残し、フラフラと自転車を漕ぎながら去っていった。(つづく)
※概ねフィクションですよ!
おぬまとHさんの横をヱヴァを見終えた大勢の観客が通り過ぎていく。おぬまはまだ3枚しか売れていませんとは口が裂けても言えなかったが、この 日はあらかじめ返答を用意していたので戸惑うことはなかった。「先日、電車で席を譲ったご老人が武蔵野辺りの地主だったんですが、とても感謝している様子 で『童貞放浪記』のことを話したらチケットもだいぶ付き合ってもらえそうなのです」
Hさんはしばらく無言でスースーと息を吐いたあと、「○○という映画の監督はイベントで五百人集めたそうですよ」と言い残し、フラフラと自転車を漕ぎながら去っていった。(つづく)
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